九州地域大学教育改善FD・SDネットワーク
Kyushu Learning Improvement Network for Staff Members in Higher Education

Q-Lab

2012-12-05 17:56 Q-Lab 第二回ODプロジェクト活動成果報告

2012年6月15日(金)〜7月27日(金)<提出課題ブラッシュアップ後の最終提出期日9月3日(月)>の約3ヶ月にわたって開催された「第2回 Q-Lab ODプロジェクト」の模様を報告します。

概要

日時 ●step1
2012年06月15日(金)10時〜18時※終了後懇親会
●step2
2012年06月16日(土)09時30分〜17時
●step3
2012年07月27日(金)12時30分〜18時
場所 九州大学(箱崎キャンパス)
題目 動き出す時?変革・チャンス・活力?
講師 facilitator 久保山宏(九州大)、田中岳(九州大)
対象 Q-Linksメンバーシップ(賛同校・運営校の教職員、賛同者)に限る

企画の背景・意義

Q-Lab OD(Organizational Development: 組織開発)プロジェクトは、大学の教育改善に資する「組織づくり」について学び合う場です。組織づくりというと、新しい学部やセンター等の設置、事務局の再編といった、よりよい“組織の姿”を築くことついて先ずは思い描かれるかもしれません。また、チームワークやリーダーシップなど、“組織の営み”をよりよく支えるものについて着眼されるかもしれません。
 
ODプロジェクトのテーマは、組織づくりと向き合う「担い手の視点」で設定されます。すなわち、どんな組織づくりにおいても直面するであろう「場面」への注目です。例えば、「対立とどう向き合うか」、「仲間とどう仕事をしていくか」、「活力をどう維持していくか」といったものが挙げられるでしょう。参加者やゲストの多彩な体験、知識などを持ち寄り、大学における「組織づくり」の課題を探ることを通じて、組織の一員として組織づくりの場面に対するときの姿勢や行動について学び合うことが期待されています。
 
ところで、大学の現場でよく耳にする話として、次のような類はないでしょうか。 FDを推進させようと自分に白羽の矢が立った。FDは門外漢だけれども、徐々に実施していくと活動も大きく動き始めた。あるいは、何から手をつけていいのか悩みが大きくなるばかりだった。総務系の仕事から初めて教学系の仕事へ異動した。外から見て感じていた改革案を実行にうつすべく前向きに努めた。一方で、教学系から総務系へ異動となった同僚は、仕事の内容も大幅に変わり今ひとつ意欲がなさそうに見える。
 
大学の現場では山積する課題への解決策を探ろうと、多くの人々が知恵を絞っています。大きな大学でも小さな大学でも、その営みの中で事業の大小を問わず様々なことが行われていることでしょう。そんな解決へのアプローチが動き出すとき、私たちは大学組織の一員としてどのように向き合っているのでしょうか。ゼロからはじまることもあれば、引き継いではじまることもある課題解決へのアプローチ。どうすれば活力ある組織として取り組めるのでしょうか。ゲストや参加者同士が自身の体験を語り合うことを通じて探りたいと考えています。

目標

○ノウハウといったところにとどまらないアイディア(発想)として、大学における"組織の活力"について自分(たち)の言葉で表現できるようになる。
○職制、職階に囚われ続けることなく、一体となって改革に向き合う意義を説明できるつまり、大学における組織づくりの課題を解決する方法ではなく、大学における組織づくりの課題と上手に付き合うためのアイディア(発想)を培うことがゴールです。

役割・過程

各Stepの進行係(Facilitator)は、会場の相互作用を活性する進行につとめる。また、参加者には主体的な活動(相手を聴き、自分を語る)をお願いします。

当日の参加教職員数

14名[教員(2)、職員(12)]
機関別:沖縄国際大(1)、鹿児島大(1)、九州大(3)、佐賀大(1)、東北大(1)、長崎県立大(1)、長崎国際大(1)、福岡教育大学(1)、福岡歯科大(3)、 琉球大学(1)

当日の様子

Step1: 大学が何かをはじめる時

[事例を手がかりにゲスト(話題提供者)との対話を通して課題を認識する場]
2012年06月15日(金)10時〜18時

 本ODプロジェクトのオリエンテーションに続いて、参加者のチーム分け。そして、「チーム・メンバー」を互いに知り合った後は、このプロジェクトで提出する成果(まとめ)と、チーム・メンバーそれぞれに違う“活力”のイメージを共有。そんなウォームアップ(ブレインストーミング)後は、午後から登壇するゲスト(話題提供者)と一緒にランチをとりました。
 
午後のメインは、『大学が何かをはじめる時』というテーマで開催される教育改革研究会の聴講。ゲスト(話題提供者)は、井下理氏(慶應義塾大・教員)と樋口浩朗氏(山形大・職員)のお二人。1時間半のレクチャー後には、フロアとの意見交換。最終盤には、九州大でカウンセリング活動を行っている福盛英明氏から"Professional's perspective"と題したコメント(心理学からの知見)が加えられました。
 
研究会を終えると、ゲスト(話題提供者)とQ-Lab参加者との濃密な(とてもQ-Linksらしい)時間。フォーマルな場ではなかなか言い尽くせない・聞き出せない本音が交換されます。ゼミナール形式の場によってそれらが披露されることで、テーマが更に深まっていきました。
夜には懇親会をもって明日への活力を養いました。

Step2: 活力の源泉を考える

[互いの経験を語り合い課題を深めていく場]
2012年06月16日(土)09時30分〜17時
 

昨日のstep1を振り返ることに続いては、step2のオリエンテーション。一日の流れを確認します。その後は、午前の時間を目一杯に活用したストーリーテリング。参加者が自身の体験を整理し、語り尽くす時間。大学で組織的な取組みが動き出した時に一体どんなことが起きていたのでしょうか。チーム・メンバーが真剣に耳を傾けます。
 
昼食後は、Q-Linksが鉄板ネタとしているアクティビティやDVDを通じて、発想が豊かになる対話について体感するところからスタート!そして、Q-Linksの新兵器?「ダイアログ・キューブ」を活用した対話へ。六面体は、どのような問い掛けを各チームにもたらしたのでしょうか。午前のストーリーテリングで集められた緊迫のエピソードも、キューブを転がす楽しさに助けられて和やかに?分解されていきます。
 
その後は、これまたQ-Links初挑戦の「LEGOワーク」!LEGOや会場にあるものを使って表現するのは、“活力の源泉”。頭で考えるよりも先に、“手で考える”ことが求められます。Prototypingに挑むといったところでしょうか。完成したチーム・メンバーそれぞれの作品は、チームで一つの物語としてまとめられ披露されました。不思議なことに、チームの物語ができあがっていきます。その作品を前に、成果物を通して何を伝えたいのかについて各チームは対話を続けました。
 
最後には、step3の概要とQ-pantryの取扱、成果に関する説明の時間をもって、step2の探究と表現という時間が終わっていきました。

step3: 活力を分かち合う

[表現した"問いかけ"に共に向き合い、相互に評価し合う場]
2012年07月27日(金)12時30分〜18時
 

チームのメンバーと協力して捻り出した成果を各チームが示し、全参加者がその成果と向き合い、高め合う場が始まります。
 
出題(成果を発表する)チームのメンバーを除く、全参加者が新たにグルーピング。そして、実際に成果(活力に関する問い掛け)と取り組みました。成果と取り組むことで学習を深め、続いて成果の質を高める視点で出題チームに貢献します。その後は、出題チームから出題意図や作成企図が披露されました。もちろん、全参加者からは、フィードバックが投げかけられます。この発表と質疑を終えれば、それら重層的なフィードバックを素材に、グルーピングから離れ再集合した各チームが成果について振り返る時間をもちます。
以上をセットに、休憩をはさんでセッションが続けられました。
 
step3の最後は、全参加者がグルッと円に座り直してのQ-Lab(体験)について分かち合う時間。トーキング・オブジェクトが対話を深めていきます。
閉会式には、修了書が授与され、またQ-pantryによる成果のブラッシュアップが念押しされながら、無事にstep1、step2、step3のプログラムを終えていきました。

最後に全員で記念撮影

brushup: 成果物を磨き上げる

[step3で他チームからもらったフィードバックを元に、ブラッシュアップする]
最終提出期日: 2012年09月03日(月)
 

関連ブログ

参加者感想ブログ

参加者の声

☆Q-Linksのプロジェクトへ初めての参加でしたが、進行係の皆様のきめ細やかな実施体制に、プロジェクトでの最大限の成果を見出せるような工夫を感じ、大変感謝しています。肯定的な雰囲気の中での各Stepは、参加者が一体になる雰囲気(安心感・信頼感)が感じられました。成果物を仕上げる過程において、大学人としての向き合いかた、組織として取り組むための姿勢を学ぶことができました。今後の業務に生かせるように努力を怠らないようにしたいと思います。本当にありがとうございました。【私立大・職員】
 
☆Q-Labでの経験をふりかえってみて、学生時代に指導教員から「他大学のひとと交わって、互いに自分の研究のことだけでなく日頃の愚痴や指導教員のあれやこれやを言い合って、発散して、活性化して、また明日からも頑張ろうって思って帰ってくる、といったことをできるような場や機会は大事なんだぞ!」と何度となく言われていたことを思い出しました。教員としてのスタートを切り、大人になればなるほど、こうした場を持つことが難しくなるような気がしていた、ちょうどその時に、Q-Labで出会いと経験と発散の場を得ることができました。Q-Labを通して交流を深めた方と、互いに大学訪問を実現するなど、その効果は帰ってからも持続しています。【国立大・教員】

御礼

あらためて、御参加いただいた皆様に感謝を申し上げます。ありがとうございました。今回のQ-Lab OD(Organizational Development: 組織開発)プロジェクトでは、初挑戦!するアクティビティも多く、強いエネルギーが求められました。いやぁ、疲れました・笑。参加の皆さんに「活力」を考えていただくのですから、当然と言えば当然。『先ず隗より始めよ』です。 “初めて”は、人を緊張させたり不安にさせたりするものです。とはいえ、勇気や元気に気づかせてくれるものでもあります。最初から熟達している者はいません。初学者の強みを活かして、健やかに前へ進んでいきましょう!

Q-Links事務局 田中 岳