九州地域大学教育改善FD・SDネットワーク
Kyushu Learning Improvement Network for Staff Members in Higher Education

Q-Lab

2012-12-06 17:56 Q-Lab 第三回ODプロジェクト活動成果報告

2012年8月30日(木)・31日(金)の2日間にわたって一泊二日の合宿形式(佐賀県唐津市)で開催された「第3回 Q-Lab ODプロジェクト」の模様を報告します。

概要

日時 ●step1
2012年08月30日(木)10時30分〜12時
●step2
2012年08月30日(木)13時〜17時30分※LaboBAR: 20時〜21時30分
●step3
2012年08月31日(金)09時30分〜16時
場所 国民宿舎 虹の松原ホテル(佐賀県唐津市)
題目 さぁ語り合おう!-価値ある会議づくりを探る-
講師 facilitator 田中岳(九州大)
対象 Q-Linksメンバーシップ(賛同校・運営校の教職員、賛同者)に限る

企画の背景・意義

Q-Lab OD(Organizational Development: 組織開発)プロジェクトは、大学の教育改善に資する「組織づくり」について学び合う場です。とはいえ、新しい学部やセンター等の設置、事務局の再編といった成功事例の拝聴、あるいはそれらと立ち向かうためのテクニックについて伝授しようとする場ではありません。もちろん、チームワークやリーダーシップが啓蒙されることもないでしょう。
 
Q-Lab ODプロジェクトでは、組織づくりにおいて繰り広げられる「場面」に着目し、そこで何が起きているのかを語り合います。Q-Linksメンバーシップの持ち寄る多彩な体験、経験、知識、知恵などが駆使され、プロジェクトのテーマが深められていくスタイルです。分かった(解決した)ような気分となりやすい結論を安易に持ち帰ることは、残念ながらできません。プロジェクトで語り合う(学び合う)ことを通じて、自分一人では気づくことのできなかった、「組織づくり」に対する"自分の言葉"、明日からの態度や行動の源泉を浮き彫りにすることが期待されています。
 
これまでのQ-Lab ODプロジェクトでは、大学における『対立』や『活力』がテーマでした。今回は、少し趣向を変えて、「会議」がテーマです。大学を取り巻く様々な課題へ組織的に取り組もうとすれば、避けては通れないのが会議でしょう。「とても有意義だった!もっと語り合いたい!」と感じられる会議もあれば、「時間の無駄だった。もう二度と出たくない。」ということもあります。そうした差は、どこからくるのでしょうか。「価値ある会議づくり」についてQ-Linksメンバーシップと大いに語らい、解決のアイディアを創出していくことを目指します。

目標

○ノウハウといったところにとどまらないアイディア(発想)として、大学における"価値ある会議づくり"について自分(たち)の言葉で表現できるようになる。
○教職員が一体となって改革に向き合う意義を説明できる。

役割・過程

本Q-Lab ODプロジェクトでは、Q-Linksメンバーシップ(参加者)同士の相互作用を大切に考えています。Facilitator(進行)は、Q-Linksメンバーシップ(参加者)の交流が言葉(学び)を紡ぎ出していくような進行に努め、本プログラムの成功へ貢献します。Facilitatorは会場を活性する進行に努めますので、Q-Linksメンバーシップ(参加者)の皆さんには主体的な参加をお願いします。

当日の参加教職員数

16名[教員(5)、職員(11)]
機関別:鹿児島大(1)、九州大(7)、佐賀大(1)、筑紫女学園大(1)、福岡教育大(1)、福岡歯科大(2)、福島大(1)、名城大(1)、立教大(1)

当日の様子

いよいよ始まります

Step1: 理解する

[実際に行われている会議の課題を認識し共有する場]
2012年08月30日(木)10時30分〜12時

 本ODプロジェクトのコンセプト(アイディアの素)と全体デザインを案内するオリエンテーションに続いて、参加者のチーム分け。そして、「チーム・メンバー」「対話の技法(役割)」について参加者が理解するためのウォームアップを行いました。その後、チーム・メンバーの事例(会議の失敗や成功など)を共有。
step1の中心は、対話(ダイアローグ)を通じて自大学における会議を省察することにありました。いわば“会議観”に気づくことが眼目だったといえるでしょう。

中継ブログ

 まもなく第3回ODプロジェクト その1 その2 

 実況中継 その1 ランチタイム  

さき撮り!

 【さき撮り!】Q-Lab第3回ODプロジェクト 1日目

Step2: 解明する

[会議で起きているパターンを探求し、自分の影響についても再確認する場]
2012年08月30日(木)13時〜17時30分
 

午後は、会議を"診て"対話することが活動の核。
先ずは、実際の会議を再現。フィッシュボウルというアクティビティを通じて模擬会議に挑戦!妙にリアルな演じ手たちの演技に、観察サイドも苦笑い。いったい会議では何が起きているのでしょうか。そのプロセスに注目し体験を分かち合う対話(ダイアローグ)を終えて、映画鑑賞へ。「法廷もの」として有名な作品は、参加者にどんな気づきをもたらしたのでしょうか。映画で繰り広げられた審議の様子を分析・共有することで、チーム・メンバーの発見を学習へと高める対話(ダイアローグ)を行いました。
 
step2では、ある種の“混乱”が意図されていました。会議に対する先入観を疑ってみることで、豊かな発想への助走としたかったからです。ですので、会議を"診て"対話する、チームが主体となったアクティビティを終えた後には、ソロウォークやライティングに力点を置いたパーソナルワークを行いました。チームから離れて、じっくり自分と向き合う時間が準備されていたのです。
 
夕食後は、OST(オープン・スペース・テクノロジー)にヒントを得た対話(ダイアローグ)の時間を持ちました。名付けて『LaboBAR』。全体テーマである「会議」からも離れ、波音をかすかに聞きながら、翌日に向けてリラックスしながらも真剣な夜が更けていきました。

step3: 解決する

[会議づくりのアイディアを評価し、これからのコミットメントを高める場]
2012年08月31日(金)09時30分〜16時
 

今も心と頭に残っていることについて対話(ダイアローグ)するところからのスタート。チームのメンバーが自分の学びを披露することで、新たな学びを得るといった“学びへの貢献”が行われました。その後には、マンダラートというアクティビティを通じて、課題解決の糸口や方略・方法を発想し共有するチーム・ワークが展開。とにかくアイディアを出し尽くすことを目標に、シートのマス目を埋めていきました。
 
昼食後は、アイディアを整理するライティングに続き、参加者がチーム・メンバーの協力を得て、価値ある会議の実現に向けた決意を高める時間を持ちました。先ずは「小さな成功(アーリー・サクセス)」を実現するために、チームの仲間は、どんな「ワード」を送ったのでしょうか。神妙な時間が過ぎていきます。
 
最後は、全員が円に座り直しての振り返りの時間。紡ぎ出される言葉が、ファシリテーション・グラフィックにまとめられていきました。

最後に全員で記念撮影

参加者の声

☆2日間実に楽しかったし、幸せな気分に包まれてプロジェクトを終えることができた。濃密な思考運動とリフレッシュとの緩急がまたよかった。
参加者の半分がロールプレイの観察者、もう半分が演技者に分かれて会議を疑似体験するワークでは、私は演技者になり教員を選んで演じてみた。お芝居だと頭では分かっていても、即興で演じると自分自身や共演者の反応が非常に新鮮で面白かった。こんなふうに「会議」を観察したことはなかった。
ソロウォークも興味深かった。一人で歩くと、波の音も相まって頭の中で考えがぐるんぐるんと浮かんでは消える。「整理したいが、そうすると消えてしまうような新しい発想の何か」を忘れたくなくて、今も私の机の引き出しには唐津の浜辺で拾った白い貝殻が2つある。「何か」は、まだ私の中で結晶化していないが、このプロジェクトへの参加によって自分なりに「得たもの」があるのは事実だ。【私立大・職員】

☆初めてのQ-Lab。初めての合宿型研修。初めての佐賀県唐津。とにかく「初めて」づくしだったもので、博多から移動するバスの車中では緊張しきりでした。ところが、いざ研修が始まると、Q-Linksのスタッフや参加者の皆さんが生み出す和やかな雰囲気のおかげで、いつの間にかリラックスしている自分がいました。
また、「価値ある会議づくりを探る」というテーマに関してはもちろん、教職員向けの研修や授業を効果的に進めていくためのヒントも沢山いただくことができました。マンダラートやフィッシュボウルなどの手法から、お酒を嗜みつつざっくばらんな意見交換を行うLaboBARのような仕掛けなど、至るところにアイディアが散りばめられていたことが印象的でした。身も心も普段着のまま参加できるQ-Labを、是非、一度は体験してみてください!【私立大・教員】

関連ブログ

御礼

あらためて、御参加いただいた皆様に感謝を申し上げます。ありがとうございました。趣向を変えて「会議」をテーマとしたのは、ある本との出会いからです。『会議のリーダーが知っておくべき10の原則』(2012年、英治出版)。
このアプローチであれば、これまでに培ってきたQ-Linksのノウハウを応用できるかもしれない。立ち読みの時に、すでに企画が頭の中を駆け巡りました(もちろん購入もしましたが…)。さて実際には(Q-Labの内容も、現場に戻ってからも!)いかがだったでしょうか。また御意見を寄せていただければ幸いです。次回に向けた、検討"会議"をはじめましょう!笑

Q-Links事務局 田中 岳